そもそも、生存率とは?
生存率とは、がんの治療成績を評価する1つの目安です。これはがんの手術などの治療から、一定の期間、経った時点で、全治療対象者のうちの何%の方が生存されているかを意味するものです。 つまり、その治療で治る可能性はどのくらいあるのかということです。
また、5年生存率とは、がんの治療開始から5年間、生存している人の割合を5年生存率といい、多くのガンではこの、5年生存率が採用されています。 これは、がんが治療開始からの5年間で、再発がなければ治癒したと考えられているためです。 ただし、このなかには再発せずに生存している人と、再発したものの生存している人が、含まれていますので、治療から5年後の生存率を「5年生存率」、さらに10年後の生存率として「10年生存率」と分けています。 生存率は、初めて発症したのか、それとも再発なのか、化学療法のみなのか、そうでないのかなど前提条件をきちんと確認しておく必要があります。
実際にがんを患われた方や身内の方は、その病気に関する情報、とくに数字には敏感です。 生存率を数字として提示することがどうかとかは別として、少なくとも医学的根拠には十分に配慮することが大切です。
種類による生存率
悪性リンパ腫は種類によっては、治療法がほぼ確立されており、がんの中では生存率が比較的高い病気です。
ホジキン病では,病期が1期では5年生存率は90%で、2期では80〜90%、3A期では65〜90%、3B期では50〜80%、4期では40%〜70%と高い生存率を示しています。
一方、非ホジキンリンパ腫はこれより低くなり、低悪性度非ホジキンリンパ腫の1〜2期の限局期の5年生存率は70〜90%、3〜4期の進行期では50〜70%です。
また、低悪性度非ホジキンリンパ腫は早期では発見が難しく、多くが進行期で発見されます。中〜高悪性度非ホジキンリンパ腫の1〜2期の限局期の5年生存率は70〜90%、3〜4期の進行期では40〜50%となっています。
治療法による生存率
悪性リンパ腫の治療法の中でも、抗がん剤などを使用した化学療法による生存率です。
CHOP療法が世界的にも標準な治療として知られており、全体の寛解率は90%、5年生存率は40〜50%で、病変が少なくあまり進行していない場合では、十分良い成績が得られています。
さらに、プロトコールによる治療に関しては全体の寛解率90%、5年生存率79%と、このような良い数値の報告があります。
患者であるご本人はもちろんのこと、ご家族が、がんの生存率を見て、低い数値であれば悲観的に感じてしまいます。 しかし、生存率というのは、医療機関の質も影響しますし、統計の算出方法、患者個人の治療法との相性度など、さまざまな要素によりますので、各個人に当てはまるものではありません。 あくまでも、参考の数値というのは承知していることかと思います。 平均的な生存率が低くても希望を失わず、それに応じた最善策で、がんとつき合うのは大切なことです。 前向きな気持ちで頑張ってくださいね。
補足資料1:各種医療機関の治療成績
各種医療機関の治療成績、生存率が公表されています。 詳しくは『最新版 関東病院ランキング 第二版』(洋泉社刊2001年6月発刊)をご覧下さい。 こちらより引用しております。
●東京慈恵会医科大学付属病院 血液・腫瘍内科
無病生存率:ホジキン病1A期90%、非ホジキンリンパ腫1A期70%
・ホジキン病では放射線+化学療法、非ホジキンリンパ腫では化学療法を主とし、いずれも寛解率高い
●東京大学医学部付属病院 血液・腫瘍内科
無病生存率:末梢血幹細胞移植療法では80%
・中等度〜高度例に対し、化学+放射線療法による寛解導入療法を施す
●東海大学医学部付属病院 内科
無病生存率:ホジキン病5年生存率約75%、非ホジキンリンパ腫5年生存率50%
・ハイリスク症例には高用量化学療法を行う
●神奈川県立がんセンター 内科第4科
無病生存率:非ホジキンリンパ腫低リスク群3年生存率100%、リスク群5年生存率65%、ホジキン病1〜2期100%、3〜4期71%
・予測生存算定の作業をおしすすめる
●大宮赤十字病院 血液内科
無病生存率:非ホジキンリンパ腫完全寛解率約80%、5年生存率50%、ホジキン病の完全寛解率約85%、5年生存率70%
・検査・ナース・薬剤スタッフの経験豊富
補足資料2:悪性リンパ腫の病期
悪性リンパ腫の病期(病気の拡がり)は4つに分かれ、また悪性度によっては3つに分かれます。
[ 病期 ]
1期 右の頸部、左のわきの下など、ひとつのリンパ節・領域のみのリンパ節が腫れる。
2期 上半身もしくは下半身のみの2ヶ所以上のリンパ節領域が侵されている。
3期 上半身・下半身の両方のリンパ節領域が侵されている。
4期 臓器を侵していたり、骨髄や血液中に悪性細胞が拡がっている。
それぞれの病期で、体重減少(初診から6ヶ月以内で10%以上)、発熱(38℃以上)、 寝汗といういずれかの症状がなければA、あればBと病期のあとに記号をつけます。(例…3A)
[ 悪性度 ]
低悪性度 : 年単位で病気が進行
中悪性度 : 月単位で病気が進行
高悪性度 : 日単位で病気が進行
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