糖尿病は3つの治療法
糖尿病の治療法には大きく分けて、食事療法、運動療法、薬物療法の3つがあります。
その中で最も基本になるのが食事療法です。運動療法も食事療法に次ぐ基本的な治療で、糖尿病の進行によって、薬物療法が必要になります。
治療を始めるとき、糖尿病教育として入院することもあります。
糖尿病の治療とは、血糖値を下げて高血糖による症状を取り除くこと、合併症の発症を防ぐこと、そして、進行を止めることです。
また、糖尿病の場合には、他の病気にあるような、治療した上での、完治というのはありません。
一度発病すると完治しないのです。ただ、生活に支障が出る状態がいつまでも続くというわけではありません。
治療を続け、症状が軽く、さらに気にならなくなれば、ほとんど生活に支障はないということです。
逆を言えば、食事療法や運動療法によりカロリーや血糖値コントロールがきちんとできていて、薬物療法を一切行わない状態が保てたとしても、食生活や運動に気をつけなければまた、発症します。
ですので、糖尿病では完治したという言い方はせず、コントロールがついたという言い方をします。
そういった意味で一生付き合っていかなければならない病気です。
@ 食事療法
糖尿病の治療の基本は、食事療法です。重要なことは、バランスのよい食事の中で、決まったカロリーをコントロールしていくことです。
それにより、血糖の大幅な上昇を避けるとともに、肥満を解消、防止していきます。食事療法というと、病院食のような食事を連想するかもしれませんが、特別なメニューが必要なわけではなく、健康な人が一番長生きできる食事をします。
つまり、栄養バランスの取れた食事をとるということですね。献立メニューをしっかりチェックしての食事制限、バナナやおやつのお菓子、ケーキなどの間食も控えながら、食生活を正すことが大切です。
●食事療法の基本
1.1日に必要なカロリーをとり、無駄にはとらない(カロリー制限)
2.バランスの良い食事をとる(主食、主菜、副菜を毎食とってくださいね)
3.決まった時間に3食とること
糖尿病の食事療法において、大事なことは適正な体重の維持です。
まず、自分自身の身長を計算式にあてはめ、標準体重を算出します。
その標準体重に体重1kgあたりの必要エネルギー量を掛けると、1日の適正なエネルギー量を算出できます。
それを食事療法の中にとりいれていきます。
自分の体重は適正なのか、適正なエネルギー量はどのくらいなのか、確認してみましょう。
●標準体重の算出
身長(m)×身長(m)×22=標準体重(kg)
例)身長170cmの人の適正な体重は? → 1.7×1.7×22=63.6kg
●1日の適正なエネルギー量の算出
標準体重×体重1kgあたりの必要エネルギー量(約30kcal※)
例)身長170cmの人の適正なエネルギー量は? → 63.6×30=1908kcal
※体力を使う仕事の場合は35Kcal、など人によって違います。
糖尿病の人は、毎日同じカロリーの食事をすることが重要ですので、1日の必要量を朝・昼・晩の食事3回に配分します。
また、間食があるようなら、それも考慮します。
アルコールはできる限り、控えたほうがいいですね。
でも、1日エネルギー摂取量の計算を毎日しながら食事ってどうでしょう。なかなか大変ですよね。
そこで、わかりやすく80カロリーを1単位とし、いろいろな食品の量を示して食事療法をかんたんにする
「糖尿病食事療法のための食品交換表」という本がありますので、それを参考にするとよいでしょう。
A 運動療法
運動療法には食事で摂りすぎたカロリーを消費したり、血糖を下げたり、肥満を解消する効果があります。
食事療法と併用することで、糖尿病の進行を抑えることができます。
適度な運動を行うと、からだが血液中のブドウ糖をエネルギーとして消費するだけでなく、インスリンの働きが活発になるので血糖値が下がります。
ただし、1型糖尿病や病状により運動をしてはいけないこともあるので、必ず医師の指示に従ってくださいね。
1日に1〜3回、食後30分〜1時間に開始し、15〜30分の歩行が有効です。体操も行いましょう。
足の悪い方は、イスに腰掛けて、手足の体操をするだけでも効果がありますよ。
運動する時間と運動する量は、毎日一定になるように、心がけたほうがいいでしょう。
長続きする方法で、少しずつ根気よく続けていきます。なお、食事前(空腹時)の運動は避ける必要があります。
また、合併症のある人は、それに合わせて運動量が少なくなりますので医師に相談して下さいね。
履く靴にも注意が必要です。
きつすぎる靴を履く事が原因で壊疽(えそ)を起こす事が糖尿病にはあります。
足の小さな傷も原因となります。それを予防するためにフットケア(足の手入れ)も同時に行っていく必要があります。
●運動療法の効果
・運動によって、インスリンを使わずに糖質を利用することができるので、インスリンを節約することができます。
・末消への血流がよくなり、手足のしびれやこむら返りなどの神経障害が改善されるので、血液の循環を促進します。
・中性脂肪やコレステロールを減らすので、動脈硬化の予防にもなります。
・血圧を下げるので、心筋梗塞や脳疾患などの予防にもなります。
・足腰を強くして、筋肉や骨の衰えを老化を防ぎます
・運動することにより、ストレスを発散することができます。
B 薬物療法
食事療法や運動療法で十分な効果が得られない時は、薬による治療を開始します。
薬物療法を始めても、糖尿病の原因を取り除いて完全に治してしまう薬はありませんので、
食事療法と運動療法の併用は続けて血糖値をコントロールすることが大切です。
なお、糖尿病の種類の1型か2型かで、薬物療法の扱いが変わってきます。
1型糖尿病…薬物療法が重視されています。
インスリンの分泌が絶対的に不足していて、食事療法や運動療法による血糖コントロールが難しいことから、
最初の段階でインスリン治療(インシュリン療法)を行う必要があります。
2型糖尿病…食事療法と運動療法が治療の中心です。
しかし、食事の改善や運動を取り入れた生活を行っても思うように血糖コントロールができない場合、薬物療法も併用されます。
まず経口糖尿病薬(飲み薬)を用い、それでも十分な効果が得られない場合はインスリン治療に切り替えるか、インスリン治療との併用を行います。
インスリン治療を開始し血糖のコントロールを良くすると、合併症を予防できます。
ただ、インスリンは血糖コントロールを改善し、合併症の予防はできますが、
進んでしまった合併症を治す薬ではないので、合併症が進む前に使用を開始する必要があります。
●インスリン治療について
インスリンはインシュリンとも呼ばれ、すい臓で作り出され、ブドウ糖をエネルギーに変えたり、貯蔵したりするホルモンです。
血糖値コントロールやエネルギー確保をするうえで、欠かすことのできないものです。
糖尿病はその、インスリンの作用不足で起こる病気です。
インスリンは内服では腸で分解され効果がなくなりますので、現在のところ注射療法しかありません。
しかし、最近のペン型注射器は非常に扱いやすく、細くて短い針を使用しており、注射の際の痛みもほとんど感じることはありません。
薬には、それぞれ特徴・服用時間・副作用に違いがありますので、主治医に飲み方や注意する点をしっかり確かめてから服用しましょう。
また、糖尿病は早期発見、早期治療が最も大切です。治ったと思って治療を中断しないことです。
調子が良くても1〜2ヶ月に一度は病院で診察を受けることが大切ですね。
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